【一人の父親として、あなたに伝えたい】買っていい建売住宅、プロが見抜く「たった一つの真実」

「【ホームインスペクターが教える】買ってもいい建売住宅、たった1つの真実」というタイトルのアイキャッチ画像。ベビーカーを押す家族連れと、ハートマークが入った家のアイコンが描かれている。

「この家で、私たち家族は本当に幸せになれるだろうか?」 デザインも価格も魅力的な建売住宅を前に、多くの若いご夫婦が、新しい生活への期待と同時に、言葉にならない大きな不安を感じています❤️‍🩹

<span class="cocoon-custom-text-1">関谷 春樹</span>
関谷 春樹

はじめまして。元棟梁でホームインスペクターの関谷春樹です🌻
建売住宅の購入を検討している方へ,家族が安心して暮らせる家選びをサポートする記事を書きました。

この記事では、まず結論からお話しします。

🙆‍♀️買っていい建売住宅とは、見つかった不具合が、修繕可能であると専門家が判断できる家。

🙅‍♂️買ってはいけない建売住宅とは、修繕が不可能、あるいは安全性が確認できない致命的な欠陥を隠した家。

このシンプルな結論にたどり着くために、あなたが内覧会でできることそして、専門家でなければ見抜けないこと。その全てを、これから具体的にお話しします。

  1. 第1章:【心構え編】建売住宅の「品質」は、書類ではなくあなたの「目」で見抜く
    1. 「住宅性能評価書」は、設計図の話
    2. 「10年保証があるから安心」は、本当?
      1. 1. 「10年保証(瑕疵保険)」の本当の目的
      2. 2. 「瑕疵保険会社の検査」の本当の役割
  2. 第2章:【安全チェックリスト】この建売住宅は、本当に子どもを守ってくれるか?
    1. ①基礎のひび割れ
    2. ②配管周りのシーリング
    3. ③棚や建具の固定状態
    4. ④全ての「動く部分」の動作確認
    5. ⑤設備機器のチェック
    6. 仕上げについてのチェック
  3. 第3章:【プロの診断編】専門家は「見えない場所」にこそ価値を見る
    1. 床下の診断
    2. 小屋裏(天井裏)の診断
    3. 専門機材による診断
    4. 将来のリスク予測(未来の診断)
  4. 第4章:【最終判断】「買っていい家」と「手を出してはいけない家」の境界線
    1. 「買っていい建売住宅」とは?
    2. 「絶対に手を出してはいけない建売住宅」とは?
  5. 【結論】セルフチェックとホームインスペクションで、納得して建売住宅を買おう
  6. 【建売住宅の選び方】よくある質問(FAQ)
    1. Q. セルフチェックでは特に問題が見つかりませんでした。それでも、専門家の診断は必要ですか?
    2. Q. 大手の有名な建築会社が建てた物件です。品質は信用しても良いでしょうか?
    3. Q. 不動産の担当者に「ホームインスペクションを入れたい」と伝えたら、嫌な顔をされました。
    4. Q. 診断で不具合が見つかったら、その家はもう諦めるべきですか?
    5. Q. 診断で修繕が必要な箇所が見つかりました。売主は直してくれますか?

第1章:【心構え編】建売住宅の「品質」は、書類ではなくあなたの「目」で見抜く

「書類ではわからない制度・保険のカラクリ」というテーマの図解。住宅性能評価、10年保証(瑕疵保険)、第三者とは誰のことか、について解説されている。

まず、最も重要な心構えからお話しします。
不動産会社の担当者から、
「この家は『住宅性能評価書』も取得していて、性能はバッチリですよ」
・「10年保証も付いているので安心です」
と言われるかもしれません。

しかし、どうか覚えておいてください。それらの書類は、あなたの家族の本当の安心を保証するものでは、決してありません。

「住宅性能評価書」は、設計図の話

住宅性能評価書は、あくまで設計上、これだけの性能がありますよ、という机の上の計算書です。実際にその家が、設計図通りに、職人さんの手で丁寧に造られたかどうかを証明するものではありません。

簡易な現場確認はありますが、それは品質を確保するにはあまりにも乏しいチェック項目です。

本当の品質とは,図面ではなく現場の施工と工事監理により確保されます。

「10年保証があるから安心」は、本当?

「10年保証」や「第三者機関の検査済み」。こうした言葉は、私たちに大きな安心感を与えてくれます。しかし、その言葉が「誰を、何から守るためのものか」を正しく知ることが、後悔しない家選びの第一歩です。

1. 「10年保証(瑕疵保険)」の本当の目的

この制度の最も重要な目的は、万が一の際に補修義務を負う建築会社が、倒産などでその責任を果たせなくなった場合でも、補修費用が保険金から支払われるようにすることです。
つまり、建築会社のリスクに備えるための仕組みであり、買主であるあなたの家の品質」を保証する制度とは、少し目的が異なります。

2. 「瑕疵保険会社の検査」の本当の役割

保険会社は、保険を引き受けるにあたり、その建物が最低限の基準を満たしているかを現場で確認します。これは、例えるなら「簡易な健康診断」のようなものです。
「明らかに大きな問題がないか」をチェックするためのもので、将来にわたって安心できる高い施工品質が確保されているかを、隅々まで確認する検査ではありません。

あなたの家を守るのは「保険」と「診断」の両輪

後悔しない家選びのためには、この2つの役割を理解し、両方を活用することが重要です。

  • 瑕疵保険は、万が一の時の「金銭的な備え」として。
  • 住宅診断は、そもそも万が一が起きるリスクを減らすための「専門的な検査」として。

この両輪があって初めて、あなたは本当の意味で「安心」を手に入れることができるのです。

第2章:【安全チェックリスト】この建売住宅は、本当に子どもを守ってくれるか?

「これであなたも診断士!セルフチェック箇所5選」というタイトルの図解。基礎のひび割れ、配管まわりのシーリング、棚や建具の固定状態、すべての「動く部分」の動作確認、設備機器の動作確認の5つのポイントがアイコンと共に解説されている。

それでは、内覧会で、あなた自身の五感を使って確認できる、基本的なチェックポイントを解説します。これらは、家の「健康状態」を知るための、最低限の問診だとお考え下さい。

①基礎のひび割れ

🔎建物の外周をぐるりと一周し、基礎に0.5mm(シャープペンシルの芯一本分)以上の、構造的に問題がありそうなひび割れがないかを確認しましょう。

より詳しくは、
✅こちらの「基礎のひび割れ」の記事で解説しています✅

②配管周りのシーリング

💧外部のエアコンの配管などが壁を貫通する部分は、雨水が侵入しやすい弱点です。特に見えにくい配管の下側まで、隙間なく丁寧にシーリングされているか、そっと指でなぞるように確認してみてください。

より詳しくは、
✅こちらの「外壁のひび割れ」の記事で解説しています✅

③棚や建具の固定状態

クローゼットのパイプや、可動棚、下駄箱など、壁に固定されているものを、手で揺さぶってみてください。私が調査する中でも、固定が甘く、ぐらつくケースはよくあります。
※確認の際に外れることがあるので注意してください。

④全ての「動く部分」の動作確認

🪛全てのドア、窓、網戸、そして鍵や引き出しに至るまで、一つひとつ、実際に開け閉めしてみてください。「少し引っかかる」「鍵がかかりにくい」といった小さな調整不足が見つかるはずです。
階段の手すりがグラつくと外れる恐れがあるので確実な固定が必要です。

⑤設備機器のチェック

💡全ての部屋の照明スイッチのON,OFFの動作確認や水回りの給排水の漏れがないかなど日常生活で使う箇所はすべて動作を確認しましょう。

⚠️洗面台の下の漏水や電気が付かないことは珍しくありません。

仕上げについてのチェック

✨クロスの汚れや傷など、仕上げに関する部分は、人によって気になる程度が異なります。もし気になる点があれば、その場で現場監督に伝え、対応を確認しましょう。

⚠️調査に行くと家中がマスキングテープのチェックだらけのことがあります。あまりにも神経質になると良好な取り引きができなくなる可能性もあるため、ほどほどにしましょう。

第3章:【プロの診断編】専門家は「見えない場所」にこそ価値を見る

「見えない場所のプロ診断」というタイトルの図解。4枚の写真で構成されており、「床下診断」「小屋裏診断」「リスク予測」「専用機材の診断」の4つのポイントが解説されている。

セルフチェックは非常に重要です。しかし、家の本当の品質は、お客様が決して見ることのできない場所にこそ現れます。ここからは、私たちプロが、その専門性を発揮する領域です。

床下の診断

✅お客様では決して入ることのできない床下に進入して異常がないかチェックします。

  • 断熱材が、設計通りに隙間なく施工され、ずり落ちていないか
  • 基礎に、内部からのひび割れはないか
  • 床下換気口が、施工時のモルタルなどで塞がれていないか

より詳しくは、
✅こちらの記事で解説しています✅

小屋裏(天井裏)の診断

🌦️小屋裏は断熱、構造、雨漏りのすべてのリスクがある箇所です。

  • 地震から家を守る、重要な構造金物「羽子板ボルト」は、確実に締め付けられているか
  • 天井の断熱材に、隙間や欠損はないか
  • 雨漏りの痕跡(雨染みなど)は発生していないか

専門機材による診断

ホームインスペクターは専門の機械を使用して建物のさまざまな箇所を計測します。
しかし、計測するのは誰でもできます。

<span class="cocoon-custom-text-1">関谷 春樹</span>
関谷 春樹

最も重要なのは計測結果からどんなリスクがあるかを推測することです。

これは経験と知識をつんだプロのホームインスペクターしかできない技術です。

  • レーザーレベルを使い、床や壁がミリ単位で傾いていないかを精密に測定
  • 擁壁が傾斜してないか、地盤沈下の傾向がないか
  • 含水率計を使って床下の湿気を計測

将来のリスク予測(未来の診断)

私たちは、現在の不具合を見るだけではありません。その家の施工品質から、将来起こりうるリスクを予測します。

  • 雨漏りリスクのチェック
    雨漏り箇所ワースト1位である「屋根と外壁の接合部」など、施工に問題はないかを確認します。
  • 家全体の「呼吸」のチェック
    建物全体の換気経路が正しく確保されているか。これが、将来の結露やカビ、腐朽菌の発生リスクに直結します。

より詳しくは、
✅こちらの「換気」の記事で解説しています✅

第4章:【最終判断】「買っていい家」と「手を出してはいけない家」の境界線

「建売住宅の購入判断」というタイトルの図解。「買ってもいい」ケースとして断熱材の下がりやシーリング不足などを挙げ「修繕可能」と結論付け、「買ってはいけない」ケースとして床の傾斜や羽子板ボルトの緩みなどを挙げ「修繕不可・不明」と結論付けている。

全ての調査結果が出揃った上で、最後にあなたが下すべき判断の基準を、明確にお話しします。

「買っていい建売住宅」とは?

それは修繕が可能であることが大前提です。
例えば、以下のような不具合は、購入前に売主側と交渉し、きちんと是正してもらうことで、安心して住むことができます。

  • 断熱材の軽微な下がり
    →固定し直せばOK
  • シーリングの不足
    →シーリングを補修すればOK
  • 建具の調整不足
    →調整すればOK

「絶対に手を出してはいけない建売住宅」とは?

一方で、修繕では直せない、あるいは将来にわたって構造的な不安が残る家、どんなに価格が魅力的でも、手を出してはいけません。

  • 基礎に1mm以上の大きなひび割れがある
    基礎の施工不良か、地盤沈下の可能性があり表面的な補修では根本的な解決にならない
  • 擁壁や家そのものが、すでに傾斜している
    擁壁の傾斜などの不同沈下は、今後も進行する可能性が高い
  • 小屋裏の羽子板ボルトが締まっていない
    目視可能なボルトはごく一部です。そこですら締まっていないのなら見えない箇所はどうでしょうか?
  • 建物全体の換気計画ができていない
    将来の結露やカビのリスクが非常に高く是正するのが困難。

【結論】セルフチェックとホームインスペクションで、納得して建売住宅を買おう

この記事で、あなたはもう、ただの買い手ではありません。家の品質を、ご自身の目で確かめる「視点」を手に入れました。

セルフチェックで、あなた自身が納得できるまで、家の「見える場所」を隅々まで確認してください。 そして、最後の答え合わせとして、
ホームインスペクションを利用し、私たち専門家と一緒に「見えない場所」のリスクを診断する。

この両輪があって初めて、あなたは心から納得し、後悔のない、最高の家選びができるのです。 あなたの家族の新しい物語が、最高の家から始まることを、心から願っています。

関谷 春樹
関谷 春樹

私は建築の仕事を15年間してきた専門家として、家の不具合の原因を見つけ、みなさんが抱えている不安やストレスを、少しでも「安心」に変えるお手伝いができると信じています🌻

🍀住まいと家族の健康学校🍀では住宅に関する悩み相談を受けています。 住まいの不安は大きなストレスとなるためプロの専門家に話を聞いてもらいましょう。

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✨ホームインスペクションの全体像については、こちらの完全版記事をお読みください✨

【建売住宅の選び方】よくある質問(FAQ)

「FAQ よくある質問」という文字と、ハートと家を一本の線で描いたイラスト。その下には、安心した表情の多様な人々が並んでいる。

Q. セルフチェックでは特に問題が見つかりませんでした。それでも、専門家の診断は必要ですか?

A. はい、必要だとお考え下さい。この記事でお伝えしたセルフチェックは、あくまで「見える場所」の基本的な確認です。しかし、家の本当の品質は、床下や小屋裏といった「見えない場所」の施工状態にこそ現れます。 セルフチェックで「合格」だと感じた物件の、最後の「答え合わせ」として、専門家による診断を活用していただくのが、後悔しないための最も確実な方法です。

Q. 大手の有名な建築会社が建てた物件です。品質は信用しても良いでしょうか?

A. 大手ハウスメーカーの物件であっても、安心はできません。なぜなら、どんなに優れた設計やマニュアルがあっても、最終的に家を建てるのは、現場で働く一人ひとりの職人さんだからです。 会社のブランド力と、現場の施工品質は、必ずしもイコールではありません。会社の規模に関わらず、一軒一軒、その「仕事の丁寧さ」を、ご自身の目と専門家の目で確認することが重要です。

Q. 不動産の担当者に「ホームインスペクションを入れたい」と伝えたら、嫌な顔をされました。

A. これは、非常によくあるケースです。しかし、それで諦める必要はありません。 まずは、「欠陥を探すのが目的ではなく、私たち家族が安心して購入するための、お守りのようなものです」と、目的を丁寧に伝えてみましょう。 それでもなお、正当な理由なく頑なに拒否される場合は、その物件や不動産会社との取引自体を、慎重に考え直す一つのきっかけになるかもしれません。

Q. 診断で不具合が見つかったら、その家はもう諦めるべきですか?

A. いいえ、そんなことはありません。思い出してください。この記事の結論は「修繕が可能であれば、買ってもいい」ということです。 大切なのは、見つかった不具合が「どの程度の問題」で、「修繕にいくらかかるのか」を正確に把握することです。その上で、修繕費用を含めたトータルの資金計画が成り立つのであれば、それはあなたにとって「良い買い物」になる可能性が十分にあります。

Q. 診断で修繕が必要な箇所が見つかりました。売主は直してくれますか?

A. これは、ケースバイケースであり、交渉次第となります。 「専門家の診断で、断熱材の施工不良が見つかりましたので、引き渡しまでに是正をお願いします」というように、客観的な事実として報告書を提示し、冷静に交渉することが重要です。 多くの良心的な売主は、買主が安心して購入できるよう、修繕可能な不具合については、誠実に対応してくれます。

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この記事を書いた人
関谷 春樹

関谷 春樹(せきや はるき)
15年の大工・棟梁経験を活かし、現在はホームインスペクター(住宅診断士)として年間100棟の住宅を診断。その傍ら、建築専門学校で未来の建築士たちに「構造力学」や「環境工学」を教える講師も務める。
コンセプトは「見えない不安を、見える安心に」。 高価な設備やスペック競争よりも、現場での「適切な施工」と「本質的な知識」こそが、家の価値と家族の健康を守ると信じ、情報発信を行っている。
【主な保有資格】
・二級建築士
・JSHI公認ホームインスペクター
・一級建築大工技能士
・カビ・ダニ測定士
・シックハウス診断士

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