ホームインスペクションとは?住宅診断の必要性

ホームインスペクション(住宅診断)の基礎知識と必要性を解説する記事のアイキャッチ画像。「診断は「保険」損を防ぐ「賢い投資」」という文字が書かれており、住宅購入前の専門家による診断が、将来の大きな修繕費やトラブルを防ぐための賢明な投資であることを示唆しています。
目次

「この家、大丈夫ですよ」その言葉を、あなたは心から信じられますか?

あなたは今、人生で最も大きな買い物をしようとしています。 車を買うなら、必ず試乗するはずです。数万円の家電を買う時でさえ、ネットのレビューを読み漁るでしょう。

📍しかし、なぜか、数千万円の「家」だけは、「見た目の印象」と「不動産会社の営業トーク」だけで決めてしまいがちです。
この構造的な矛盾に、あなたは気づいていますか?

まず、この記事を読む上での大前提として、知っておいていただきたい事実があります。

⚠️それは、不動産会社は「不動産取引のプロ」ではあっても、「建築のプロ」ではないということです。彼らの仕事は、売買契約を無事に成立させることであり、建物の品質を保証することではありません。

これは不動産会社をおとしめるための私の主観ではなく、構造として言える客観的事実なのです。

その構造的なギャップが、あなたの「本当にこの家で大丈夫だろうか?」という、根源的な不安を生み出しているのです❤️‍🩹

なぜ、私の診断は他と違うのか。棟梁、現場監督、建築士、そして住宅診断士。4つの「目線」が全てを繋ぐ。

関谷 春樹
関谷 春樹

はじめまして😊元棟梁のホームインスペクター、関谷春樹です。

私は、家の声なき声を聴き、あなたに翻訳する「家の主治医」です。
ひび割れ、シミ、傾きといった、家が発する小さなサイン(症状)の裏に、どんな重大な病気(欠陥)が隠れているかを読み解くのが私の仕事です。

☘️そして、私の診断の最大の強みは、4つの異なる立場から家を見てきた経験の総体から生まれる、独自の「目線」にあります。

住宅診断士の強みである4つの目線を、ベン図で示したイラスト。3つの重なり合う円の中に、それぞれ「元棟梁」「現場監督」「建築士」という文字が配置され、それらが重なる中心部分に「住宅診断士」と書かれている。これは、診断士の専門知識に加えて、棟梁・現場監督・建築士という三つの異なる経験が統合されていることを示している。
  • 棟梁として、木材一本一本がどう組まれ、どう経年変化していくかを知っています。
  • 現場監督として、職人たちが工期や予算のプレッシャーの中で、どこで手を抜きやすいかを熟知しています。
  • 建築士として、美しい設計図の裏に潜む、構造的なリスクを見抜くことができます。
  • そして住宅診断士として、それら全ての要因が、10年、20年後にどんな不具合として現れるかを、数多く目の当たりにしてきました。

この4つの視点を重ね合わせることで、私は単なる事象(ひび割れ、シミ)を「点」で捉えるのではなく、過去の施工から未来のリスクへと繋がる「線」として、一軒の家の物語を正確に読み解くことができるのです。

結論:ホームインスペクションは「費用」ではなく、数百万円の損失を防ぐ「保険」です

先に結論をお伝えします。
✅ホームインスペクション(住宅診断)は、数万円の「出費」ではありません。

それは、将来発生しうる数百万〜数千万円規模の補修費用を未然に防ぎ、修繕できない中古住宅の購入を防ぐ、最も賢明な「投資」であり「保険」です🌻

【図解】あなたの見ている景色 vs プロが見ている景色

あなたが内覧で見ているものと、私たち専門家が見ているものは、全く違います。 同じ家を見ても、その解像度には圧倒的な差があるのです。

プロと一般の人との目線の違いを比較した図解。左側の**【自分でできるチェック】のブロックには、虫眼鏡を持った男女のイラストと共に「室内にカビがないか」「基礎にひび割れはないか」「床鳴りはないか」というチェック項目が書かれている。右側の【専門家の診断】**のブロックには、防護服を着た専門家が床下(または小屋裏)で調査をしている写真と共に「『空気の通り道』の確認」「床下、小屋裏への進入調査」「建物の総合的な判断」という専門的な診断項目が書かれている。

費用対効果は5倍以上。10万円の診断費用が、50万円の価格交渉に繋がった実例。

「投資」というからには、具体的なリターンがなければなりません。 これは、私が実際に担当した診断での実例です。

📍ある中古住宅の診断で、天井裏に雨漏りが見つかりました
この補修には、屋根の補修や足場の設置も含め、約50万円の費用が見込まれています

買主は、客観的なデータが記載された私の診断報告書を基に、瑕疵に値する劣化事象として売主への状況を伝えました。(瑕疵とは雨漏りや構造的な不具合を指します。)

売主側は誠意ある対応とり、雨漏りの補修費用はすべて売主負担で対応することになったのです。

☘️診断費用を差し引いても、依頼者は実質40万円のプラスが残りました。
これは、ホームインスペクションの価値が、いかに直接的な経済的メリットに繋がるかを示す、ほんの一例に過ぎません。

悪意なき「大丈夫」。善意の素人たちが引き起こす、最も恐ろしいリスク。

🏚️ホームインスペクションを省略した買主が陥る、3つの「地獄」があります。

  • 購入後の「修繕地獄」
    入居後すぐに雨漏りや設備の故障が発覚。住宅ローンと、想定外の修繕費の二重払いに苦しむ。
  • 交渉時の「丸腰地獄」
    欠陥の可能性を感じても、客観的な証拠がないため、価格交渉や補修要求の土俵にすら上がれない。
  • 精神的な「不安地獄」
    「この家は本当に大丈夫だったのか?」という疑念を、その家に住み続ける限り、ずっと抱え続けることになる。

⚠️そして、最も恐ろしいのは、これらのリスクが、必ずしも悪意によって生まれるわけではない、ということです。

多くの売主は、買主を騙そうとしているわけではありません。

彼らもまた、自宅の本当の健康状態を知らない「善意の素人」なのです。

その結果、買主も売主もリスクに気づかないまま取引が進み、「ホームインスペクション」という選択肢自体がテーブルに上がらないことが、あまりにも多いのです。

❤️‍🩹しかし、万が一購入後に構造的な欠陥(瑕疵)が見つかった場合、その修繕費用は、知らずに購入した買主が負担せざるを得ないケースもあるのが、今の日本の不動産取引の厳しい現実です。

私の診断は、なぜ「不動産会社の調査」と根本的に違うのか。

①誰でもできる「調査」と、経験だけがものを言う「診断」の違い

不動産会社が手配する調査(既存住宅状況調査)も、建築士が行います。しかし、その多くは、決められたチェックリストを埋めていくだけの表面的な「調査」に過ぎません。

私の仕事は、その先の「診断」です。
📍例えば、基礎に幅0.5mmのひび割れがあったとします。その事実を報告するのは「調査」です。誰にでもできます。

しかし、そのひび割れが、地盤の問題に起因するのか、構造の歪みから来ているのか、あるいは単なるコンクリートの乾燥収縮によるものなのかを、家全体の文脈から総合的に判断し、未来のリスクを予測するのが「診断」です。これは、経験豊富な医師にしかできないのと同じです。

②「道具」は同じでも、「目線」が違う

調査範囲の広さ、サーモグラフィなどの専門機材の使用、数十ページに及ぶ詳細な報告書の作成。これらは、今やお金を出せば誰でも真似ができるサービスになりました。

しかし、絶対に真似ができないものが、一つだけあります。

関谷 春樹
関谷 春樹

それが、私の「目線」です。

  • 室内に入った時の歪みの違和感
  • 建具の閉まりづらさ
  • レーザーによる傾斜測定

床下の基礎のひび割れや外壁の傾斜、それらを総合的に判断すると地盤沈下と判断される。

そう見抜く「目線」だけは、棟梁・現場監督・建築士としての長年の経験がなければ、絶対に手に入れることはできません。
☘️これこそが、私の診断の核心であり、あなたの資産を守る唯一の盾なのです。

例えば、床下の基礎については、このように詳細な調査と診断を行います。

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【診断実録】「インスペクション済み」を信じて契約寸前だった、築7年の家の悲劇。

「地盤・基礎」の記事でも少し触れましたが、これは「誰が」「何のために」診断を行うのか、その「独立性」がいかに重要かを示す事例です。

📍お客様が契約寸前だった、築7年の築浅物件。
不動産会社からは「提携先の建築士によるインスペクション済みで、問題ありません」と太鼓判を押されていました。
しかし、私の診断で、床下の基礎と土台の間に「構造的な施工不良」が見つかりました。

床下の基礎と木製の土台を緊結する役割を持つアンカーボルトが切断されているイラスト。アンカーボルトの切断面が赤い円で囲まれ、その下に「基礎と土台をつなぐアンカーボルトが切断されている」と

※写真をイラスト化して掲載しています。

不動産会社が手配した検査は、残念ながら、買主の不安を解消するための形式的なセレモニーに過ぎなかったのです。
💔後日談ですが、不動産会社が依頼したホームインスペクションの報告書は見せられないとのことでした。

本当の意味であなたの味方になるのは、売主や不動産会社から完全に独立した、あなただけのために働く専門家です。

失敗しないために。「信頼できる住宅診断会社」を見つける4つのポイント。

❓では、どうすれば本当に信頼できる専門家を見つけられるのでしょうか。 以下の4つの質問を、住宅診断会社に当てはめてください。

  1. 「WEB上で情報を発信しているか?」
    その調査員のレベルを知る一番の手がかりは、SNSやブログでの情報発信です。その内容を見ることで、建築知識の深さや、仕事に対する姿勢、人柄まで透けて見えてきます。何も発信していない人のレベルを判断するのは、非常に困難です。
  2. 調査する人の顔や情報が明確にわかるか?」
    住宅診断の品質は調査する人に100%依存します。会社の大小ではなく、調査する人が誰かわかるかが重要です。
  3. 「床下や小屋裏への進入調査はオプションか?」
    住宅診断において、床下や小屋裏の調査は必須です。必須項目がオプションにされているとは、家を新築するのに柱がオプション扱いになっているのと同じです。
  4. 「報告書は写真ベースの解説か?」
    最終的な成果物である「報告書」を事前に確認するのは重要です。ただのチェックシートではなく、写真付きで一般の方でもわかりやすい報告書かがポイントです。

あなたの決断に、客観的な「根拠」という、最後のピースを。

❤️‍🩹「この家に決めて、本当に良いのだろうか」 中古住宅の購入における最終判断は、非常に孤独で、勇気がいるものです。

そのあなたの背中を、最後に、そして最も強く押してくれるもの。 それは、営業トークでも、直感でもありません。

誰の目にも明らかな、客観的なデータという「根拠」だけです。

☘️私のホームインスペクションが提供するのは、まさにその「根拠」です。
あなたの決断を、後悔の余地のない「確信」に変えるためのお手伝いを、私たちにさせてください。

<span class="cocoon-custom-text-1">関谷 春樹</span>
関谷 春樹

私は、家を売るプロではありません。 あなたの家族の、50年先までの安心と幸せを一緒に考えるプロです🍋

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「ホームインスペクション」についてのよくあるご質問(FAQ)

ホームインスペクションに関するFAQ(よくある質問)のイラスト画像。黄色の背景の上部に「FAQ よくある質問」という文字が書かれている。中央には一筆書きで描かれた家のイラストがあり、その下に多様な6人の人物が笑顔で立っている。

Q1. 売主が「インスペクション済み」と言っている場合や、不動産会社から業者を紹介された場合、それを利用しても良いですか?

A1. 第三者性が担保されているか、という観点が最も重要です。売主や不動産会社の利害関係が絡むインスペクションは、本来買主が知るべき情報が意図的に省略される可能性があります。ホームインスペクションの発祥とされている欧米では不動産会社とホームインスペクターの癒着が社会問題となっています。

Q2. ホームインスペクションは、購入プロセスのどのタイミングで依頼するのがベストですか?

A2. 「売買契約を結ぶ前」が絶対条件です。具体的には、購入申し込みを済ませ、価格などの大枠が固まった後、契約書にサインする前のタイミングが理想的です。この段階で建物の正確な状態を把握することで、契約内容(瑕疵の取り扱いなど)や最終的な購入判断に、診断結果を冷静に反映させることができます。

Q3. 診断で何か問題が見つかった場合、具体的にどんなメリットがあるのですか?

A3. 問題が見つかることは、決してネガティブなだけではありません。むしろ、それはあなたにとって3つの大きなメリット(武器)になります。

  1. リフォーム費用の明確化
    優先的に修繕が必要な箇所を把握できるため、リフォーム計画を詳細に立てることができる。無計画なリフォームは余計なコストが掛かります。
  2. 補修要求の武器
    売主の契約不適合責任(瑕疵)に該当する不具合の場合、引き渡し前の補修を要求する正当な根拠となります。
  3. 判断の武器
    修繕コストが想定以上にかかる場合、「この物件は見送る」という冷静で後悔のない判断を下すことができます。

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この記事を書いた人

関谷 春樹(せきや はるき)
15年の大工・棟梁経験を活かし、現在はホームインスペクター(住宅診断士)として年間100棟の住宅を診断。その傍ら、建築専門学校で未来の建築士たちに「構造力学」や「環境工学」を教える講師も務める。
コンセプトは「見えない不安を、見える安心に」。 高価な設備やスペック競争よりも、現場での「適切な施工」と「本質的な知識」こそが、家の価値と家族の健康を守ると信じ、情報発信を行っている。
【主な保有資格】
・二級建築士
・JSHI公認ホームインスペクター
・一級建築大工技能士
・カビ・ダニ測定士
・シックハウス診断士

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