これまでの記事で、私たちは家の「弱点」となりうる床下、壁、そして天井裏という具体的な『場所』について、学んできましたね。
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「断熱欠損は、家の“三大急所”で起きる」 「その性能は、材料ではなく“施工の腕”で決まる」

はじめまして☺️ 元棟梁のホームインスペクター、関谷春樹です。
今回は、断熱材の種類で迷う“沼”から抜け出す方法を解説します🍀
あなたはもう、多くの建築のプロと同じレベルの知識を持っています。しかし、その上で、このような根源的な疑問を感じてはいませんか?
📍「なぜ、そもそも“隙間”があると、そこまで問題になるのだろう?」
📍「断熱だけを完璧にしても、なぜ“快適”にならないことがあるのだろう?」
その疑問こそが、家づくりの本質にたどり着く、最後の扉です。
この記事は、断熱シリーズの最終回。家の快適性を支配する、たった一つの、しかし最も重要な「根本原則」についてお話しします。
✅ この記事の結論✅
気密→断熱→換気の原則を理解し、机上の空論から卒業しよう。
家を、人体に例えるなら

この複雑な問題を理解するために、あなたの家を、私たちの身体に例えてみましょう。
- 【断熱】は、冬に着るセーターや、私たちの身体を守る「皮下脂肪」です。外の寒さや暑さから体温を保ち、私たちを守ってくれます。これがなければ、私たちはすぐに体調を崩してしまいます。
- 【気密】は、「肌(スキン)」そのものです。どんなに分厚い皮下脂肪があっても、肌が傷だらけでは、そこから体温は奪われ、ウイルスも侵入し放題です。隙間なく、連続していることに価値があります。
- 【換気】は、新鮮な空気を取り込み、二酸化炭素を排出する「呼吸(肺の働き)」です。生命維持に不可欠ですが、もし私たちの肌が隙間だらけだったら、「呼吸」はできません。ただの「空気漏れ」が起きるだけです。
では、私たちの身体にとって、この3つのうちどれか一つでも欠けたらどうなるでしょう? そして、健康を維持する上での「順番」はあるのでしょうか?
✅答えは明確です。まず、全てを包み込む健康な「肌(気密)」があって初めて、その内側にある「皮下脂肪(断熱)」は体温を守ることができ、そして「呼吸(換気)」は生命を維持する意味を持つのです。
この関係性は、家においても全く同じなのです。
家の性能を支配する、たった一つのシンプルなルール

ここに、家の性能を支配する、絶対的なルールが存在します。それは、
「まず『気密』で家を魔法瓶のようにすっぽりと包み込み、次に『断熱』でその保温性能を高め、最後に『換気』で計画的に呼吸をさせる」
という順番です。気密 → 断熱 → 換気。この順番は、決して逆にはなりません。
多くの人が「高断熱」という言葉に注目しますが、「高気密」でない高断熱住宅は、ただの「隙間だらけのセーター」と同じです。全く意味がありません。
隙間だらけの家(低気密)で換気扇を回しても、計画的な空気の入れ替えは行われず、どこから汚れた空気が入ってくるか分かりません。
全ての土台は「気密(C値)」にあります。 これこそが、多くの住宅会社が見過ごし、あるいは意図的に語りたがらない、不都合な真実なのです。
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このルールが守られないと、何が起きるか
この「気密→断熱→換気」の原則が崩れた家では、私たちがこれまで学んできた、あらゆる問題が複合的に発生します。
- エネルギーの浪費: 隙間から熱が逃げ、冷暖房が効かない。
- 結露とカビ: 意図しない場所から湿気が侵入し、壁の中で結露を起こす。
- 健康被害: 計画換気が機能せず、CO2濃度や化学物質濃度が上昇し、家族の健康や集中力を奪う。
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これら全ての問題の根源は、このたった一つのルールが守られていないことに起因するのです。
おめでとうございます。あなたは、もう本質を見抜いています。

🍀ここまで、長い旅にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。 あなたはこのシリーズを通じて、もはや単なる施主ではありません。家の性能を本質から理解し、建築のプロと対等に、いや、時にはそれ以上に深く、家のことを考えられる「賢明なパートナー」へと進化を遂げました。☘️
その知識と視点があれば、もう「この断熱材は高性能ですよ」といった表面的なセールストークに惑わされることはないでしょう。
🌻あなたの家づくりは、今、本当の意味でスタートラインに立ったのです。 この素晴らしい知識を、実際の家づくりという「実践」で、私たちと一緒に形にしませんか?

私は、この「換気・気密・断熱」の原則を、机上の空論ではなく、現場で愚直に、そして徹底的に追求するプロフェッショナルです。あなたの「主治医」として、本当に健康で快適な家づくりを、根本からサポートします。
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「気密・断熱・換気」のよくあるご質問(FAQ)

Q1. 気密・断熱・換気、もし一つだけお金をかけるならどれですか?
A1. 非常に難しい質問ですが、あえて答えるなら「気密」です。なぜなら、気密性能を高めるための丁寧な施工は、後からやり直すのが最も困難だからです。そして、気密という土台がなければ、どんなに高価な断熱材や換気システムも、その性能を発揮できません。まずは「C値測定」をしっかりと行い、家の隙間をなくすことが全ての始まりです。
Q2. 我が家のC値を知りたいのですが、どうすればいいですか?
A2. C値は、専門の「気密測定技能者」が、専用の機械を使って測定します。新築時やリフォーム時に、この気密測定を工事契約に含めることを強くお勧めします。すでに建っている家の場合は、専門の住宅診断会社に依頼することで測定が可能です。
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Q3. 結局、良い家とは何ですか?
A3. 私たちの答えは、「夏も冬も、意識することなく、穏やかに、そして健康に過ごせる家」です。それは、この「換気・気密・断熱」という目には見えない基本性能が、当たり前のように、そして完璧に機能している家です。私たちは、そんな「当たり前の快適さ」を、一棟でも多く実現することを使命としています。
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