【断熱のきほん③】床下の断熱はプロ任せで大丈夫?後悔しないためのチェックポイント

【断熱のきほん③】「床下の断熱はプロ任せで大丈夫?」後悔しないために知っておくべきチェックポイントを解説するアイキャッチ画像。この記事では、床下断熱の重要性と、施工を依頼する際に確認すべき項目を具体的に示します。

家づくりやリフォームを真剣に考えているあなたへ。

📍「床断熱と基礎断熱、結局どちらがいいの?」

そんな疑問を抱き、何時間もネット検索をして、気づけば頭の中が情報でいっぱい…。調べるほどに、専門家の意見もバラバラで、混乱と不安がどんどん大きくなっていく。 ──そのお気持ち、痛いほどわかります。

関谷 春樹
関谷 春樹

はじめまして☺️ 元棟梁のホームインスペクター、関谷春樹です。
今回は、断熱材の種類で迷う“沼”から抜け出す方法を解説します🍀

この記事では、あなたが長く抱えてきた「床断熱 vs 基礎断熱」問題に、ひとつの“考え方”としての答えをご提案します。

「断熱工法選び」からの卒業して建築のプロ選びへ視点を変えよう。

目次

最初にお伝えしたい、一番大切なこと

「床断熱か基礎断熱 二択ではない」という見出しの比較イラスト。左側には床下に断熱材が施されている「床断熱」のイメージ図が、右側には基礎の内側に断熱材が施されている「基礎断熱」のイメージ図が示されている。どちらの工法を選ぶかという二択ではなく、それぞれの工法を熟知したプロを選ぶことの重要性を示すための画像。

冬の床の冷たさ、そして真夏のうだるような暑さの中で感じるエアコンの効きにくさ
──その解決のカギは、「床断熱か基礎断熱か」の二択ではありません。

なぜなら、どちらの工法にも、それぞれメリットがある一方で、見落とされがちなリスクや注意点もあるからです。

そして何より、断熱の性能は、どんな材料を使うかよりも、それを「誰がどう施工するか」によって大きく左右されるという現実があります。

その工法を熟知した、信頼できるプロを選ぶことなのです。

まずは、それぞれの工法を正しく知るところから

ここでは「どっちが良い・悪い」と判断することはいったん脇に置いて、まるで静かなカフェで本を読むような気持ちで、それぞれの断熱工法の特徴と注意点を、一緒に見ていきましょう🍀

「基礎断熱」の特徴と注意点

基礎断熱の施工イメージを示すイラスト。家の基礎部分の立ち上がりと、床下の地面(土間コンクリート)に、水色の断熱材が敷かれている様子が描かれている。断熱材の継ぎ目や角の部分に、気密性を確保するための吹き付け状の処理材(コーキング材のようなもの)が施されているのが確認できる。

基礎断熱とは、基礎全体を断熱材で囲い、床下を室内と同じ環境にする方法です。家全体の隙間を減らし、高い気密性(低いC値)を確保しやすいため、先進的な住宅でよく使われる工法です。

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しかし、その分、プロの中でも慎重な対応が求められる繊細な一面も…。

☑ 湿気の問題
基礎のコンクリートは、建てたばかりの数年間、内部の水分がゆっくり蒸発していきます。換気や除湿の対策が甘いと、床下が高湿度になり、カビが広がってしまうケースも珍しくありません。

☑ 専門的な知識が不可欠
設計・施工・監理まで、全ての工程に基礎断熱ならではの知識が求められます。一つでも抜けると、期待した性能が発揮されません。

☑ 点検がしづらい
断熱材で基礎を覆うため、ひび割れやシロアリの被害があっても見つけにくくなります。

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✅基礎断熱は、言わばF1マシン。正しく扱えば高性能ですが、それには熟練のチームが不可欠なのです。

「床断熱」の特徴と注意点

床断熱の施工イメージを示すイラスト。床下のコンクリートの土間と、その上の床を支える構造材(木材)が見える。床材のすぐ下に、白い断熱材が敷き詰められている様子が描かれている。床下を支える鋼製束(こうせいづか)も確認できる。

床断熱とは、床板のすぐ下に断熱材を敷き詰める、昔からあるスタンダードな工法です。シンプルで分かりやすい反面、注意すべきポイントもあります。

☑ 【実録】私が最も多く見てきた不具合:断熱材の垂れ下がり
これは、私がホームインスペクションで見てきた中で、最も多い不具合の一つです。時間とともに湿気や重みで、断熱材がずれてしまうこともあります。その隙間から冷気が入り、断熱効果が大きく損なわれてしまうのです。

☑ 隙間ができやすい
配管周りや点検口など、細かい部分に気密性の配慮がされていないと、そこから冷気が侵入しやすくなります。

☑ 点検がしやすい(安心のポイント
基礎の状態を目で確認でき、風通しも良いため、メンテナンス性が高いのが大きなメリットです。

だからこそ「工法選び」がゴールではないのです

「失敗しない「選び方」」という見出しの下に、「工法選び」と「建築のプロ選び」の2つの道筋が対比的に描かれたフローチャート形式の図。左側の「工法選び」の道は、「工法を指定」→「経験のない断熱施工」→「現場任せの品質管理」と進み、最後に「落とし穴」に落ちるイラストで終わっている。一方、右側の「建築のプロ選び」の道は、「成功法を知る」→「建築のプロを探す」→「責任のある品質管理」と進み、最後に家族のイラストと「理想の新居」という文字で終わっている。断熱工法を自分で指定する危険性と、信頼できるプロを選ぶことの重要性を示す比較図。

ここまで読んで、「どちらの工法も不安になってきた…」と感じたかもしれません。 でも、それは決して間違いではなく、むしろとても大切な感覚です。

それは── 「自分で決めた工法を、そのまま工務店に指定してしまうこと」です。

たとえば、あなたがネットで基礎断熱が良いと感じたとしても、それを普段は床断熱を主にしている工務店にお願いしたらどうなるでしょう

もちろん、誠実な工務店さんなら、要望に応えようとしてくれるでしょう。でも、慣れていない工法にはリスクがつきもの。本来の性能を引き出せないまま工事が終わってしまう可能性があるのです。

工務店に聞いてほしい「たった一つの魔法の質問」

✅では、どうすれば後悔しない選択ができるのでしょうか? それは、こう質問してみることです:

「御社が、最も経験豊富で、自信を持って施工できる断熱工法はどちらですか? そして、その工法の注意点に対して、どんな対策をされていますか?」

この質問に、リスクや対策も含めて具体的に、誠実に答えてくれるかどうか
──それが、本当に信頼できる「建築のプロ」であるかを見極める基準になります。

不安なのは、あなただけじゃありません

ピンクの背景に、大きな青い文字で「結論 工法選びからの卒業」と書かれた画像。「どの断熱材がいいかではなく 信頼できるパートナーを探すことが「本質」」というメッセージが続き、下部には様々なポーズでジャンプしたり両手を上げたりして喜んでいる、カラフルな服を着た5人の男女のイラストが描かれている。断熱工法の選定よりも信頼できる施工パートナー選びが重要という記事の結論を示す図。

家づくりは、人生で何度もあることではありません。誰だって最初は、分からないことだらけです。

📍「こんな初歩的なこと、聞いてもいいのかな…」
📍「専門用語で煙に巻かれそう…」 「ちゃんと希望を伝えられるか不安…」

そんな風に、一人で悩みすぎないでください。 もし迷ったときは、ぜひ、私のような第三者の住宅専門家を頼ってください🍋

工務店や設計士とは別の立場で、あなたの味方として、打ち合わせの同席や図面チェックをすることも可能です。

あなたの不安を、行動に変えて「安心」につなげる🍀
── それが、私たちが提供する住宅カウンセリングです。

関谷 春樹
関谷 春樹

私は建築の仕事を15年間してきた専門家として、家の不具合の原因を見つけ、みなさんが抱えている不安やストレスを、少しでも「安心」に変えるお手伝いができると信じています🌻

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「断熱工法選び」のよくあるご質問(FAQ)

ピンクの背景に「FAQ よくある質問」と青い文字で大きく書かれた画像。中央には一本の線で描かれたシンプルな一軒家のイラストがあり、その線がハートマークを経由して伸びている。家のイラストの下には、様々な人種や服装をした6人の人々が笑顔で立っており、断熱工法選びに関するよくある質問コーナーの導入を示す図。

Q1. 工務店に希望の工法を伝えてはいけないの?

A1. 伝えても構いません。ただし、その工法を“得意としている”工務店を選ぶことが何より重要です。
普段取り扱っていない工法を施工するとミスする可能性が非常に高くなります。

Q2. 信頼できる工務店はどう見分ける?

A2. 先ほどの「魔法の質問」に、リスクまで含めて誠実に答えてくれるかどうか。さらに、気密測定(C値測定)を全棟で実施している会社は、施工品質に自信がある証です。施工技術を客観的な数値で表すには気密性能(C値)が1.0㎠/㎡以下であることが一つの基準です。

Q3. もう家が建ってしまっていても、今からできることは?

A3. もちろんあります。まずは、今のお住まいの断熱工法と、その状態を把握するところから。現状を正確に把握し、対策を一緒に立てましょう。

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この記事を書いた人

関谷 春樹(せきや はるき)
15年の大工・棟梁経験を活かし、現在はホームインスペクター(住宅診断士)として年間100棟の住宅を診断。その傍ら、建築専門学校で未来の建築士たちに「構造力学」や「環境工学」を教える講師も務める。
コンセプトは「見えない不安を、見える安心に」。 高価な設備やスペック競争よりも、現場での「適切な施工」と「本質的な知識」こそが、家の価値と家族の健康を守ると信じ、情報発信を行っている。
【主な保有資格】
・二級建築士
・JSHI公認ホームインスペクター
・一級建築大工技能士
・カビ・ダニ測定士
・シックハウス診断士

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